MDR-CD900STが置かれた実際の音楽制作デスク

OWNER’S GUIDE

CD900STは手放さない。
次に足すなら、どの開放型か。

独立した頃から10年以上使い続けているMDR-CD900ST。
不満があるから買い替えるのではなく、 定位や奥行き、空間を別の視点から確認できる一本を追加する。
候補をHD 490 PROとMDR-MV1の2台に絞りました。

購入前の選定記事公開日:2026.07.17

この記事では、MDR-CD900STを使い続けている運営者の視点から、 買い替えではなく「役割の違う開放型を1本追加する」という選び方を紹介します。 候補は、Sennheiser HD 490 PROとSony MDR-MV1の2台です。

OWNER’S NOTE

買い替えたいわけではない。
もう一つの視点がほしい。

MDR-CD900STは、独立した頃に購入してから10年以上使っています。

長時間装着しても耳が疲れるわけではなく、痛くなることもありません。 音楽を派手に、迫力たっぷりに聴かせるヘッドフォンというより、 音の一つひとつや全体のバランスを聞き分けやすい。 今でも制作に欠かせない道具です。

壊れていないものを、新しいという理由だけで手放す必要はないと思っています。

一方で、開放型なら、音の広がりや前後の距離、残響、低域の見え方を、 別の角度から確認できるかもしれません。

だから今回は「買い替え」ではなく「追加」です。

CD900STは残す。
その隣に、役割の違う開放型を一本足す。
10年以上使用しているSony MDR-CD900ST
独立した頃に購入し、10年以上使い続けているMDR-CD900ST。 今も制作机の定位置にあります。

10年以上使ったイヤーパッドは、
裏側までぼろぼろになった。

実際に10年以上使用している私物

長年の使用で劣化したMDR-CD900STのイヤーパッド裏面長年の使用で劣化したMDR-CD900STのイヤーパッド裏面
イヤーパッドの裏側は、さすがに限界。 それだけ長く制作を支えてくれた一本でもあります。

イヤーパッドは表も裏も、さすがに限界です。

それでも、本体は今も制作の判断を支えてくれています。 独立した頃から使ってきた思い入れの深い一本なので、 簡単に手放す気にはなれません。

3本は、同じ役割ではない。

  • MDR-CD900ST所有・使用中

    録音、編集、細部、音全体の聞き分け

  • HD 490 PRO

    帯域、定位、ミックス全体のバランス

  • MDR-MV1

    低域、距離感、残響、空間の把握

MDR-CD900STを外すのではなく、それぞれの得意な判断を使い分けます。

ミックス全体を詰めるなら、
Sennheiser HD 490 PRO。

Sennheiser HD 490 PRO の商品画像

Sennheiser HD 490 PRO

軽量な開放型と交換パッドで、精度と長時間作業を両立する制作向けモデル。

¥47,718(税込)

※価格、在庫、仕様は変更される場合があります。

HD 490 PROは、音楽制作とミックスを想定した開放型ヘッドフォンです。

今回の2台では、音の各要素を個別に見るというより、 楽曲全体の帯域や定位を整え、 ミックスを完成へ近づける役割として選びました。

向いている人

  • DTMやミックスを長時間行う
  • ボーカルと楽器の帯域を整理したい
  • パンや定位を細かく詰めたい
  • 制作とミックスで聴こえ方を切り替えたい
  • CD900STとは違う開放型の視点を追加したい

注意点

開放型なので、周囲の音を遮断する用途や、 マイク収録中のモニターには向きません。

音が置かれた空間を見るなら、
Sony MDR-MV1。

Sony MDR-MV1 の商品画像

Sony MDR-MV1

立体音響・映像・ゲーム制作の空間表現に強い。

¥46,800(税込)

※価格、在庫、仕様は変更される場合があります。

MDR-MV1は、低域の見通し、音の距離感、残響、 ステレオ配置について、プロの使用例が具体的に紹介されています。

今回の2台では、音の距離、前後感、残響を含めて、 音が空間のどこに置かれているかを見る役割として選びました。

向いている人

  • 映像、ゲーム、立体音響も扱う
  • 低域の量だけでなく質感を確認したい
  • リバーブや奥行きを調整したい
  • ステレオ配置を判断したい
  • 軽さと長時間の装着性を重視する

どちらを選ぶ?

優れている方を決めるのではなく、 CD900STの隣に、どんな視点を追加したいかで選びます。

プロは、どこを聴いている?

有名人が使っていることではなく、 現場でどの判断に使われているかを見ます。

PR記事対象商品:Sennheiser HD 490 PROHD 490 PROレビュー 〜米津玄師等の曲に携わるエンジニアが語る開放型と密閉型の融合Sound & Recording Magazine

開放型の広がりと音像のまとまりを両立。ミックス全体を信頼して詰めるための視点。

BEST SPECCERの読み解き

HD 490 PROの価値は、単に音場が広いことではなく、開放型の自然さを保ちながら、ミックスの判断を散らかしにくい点にあると読み解きます。

CD900STで細部を確認したあと、曲全体の帯域と定位をまとめる役割です。

対象商品:Sony MDR-MV1レコーディング・エンジニア諏訪桂輔が語る、MDR-MV1の低域・距離感・リバーブ判断Sony Creator’s Voice / Sound & Recording Magazine

低域、距離感、リバーブ、ステレオ配置。音が置かれた空間を判断するための視点。

BEST SPECCERの読み解き

注目したいのは、低音が多いという話ではなく、低域がどこまで伸び、音がどの距離にあり、残響がどの程度かを判断しやすい点です。

対象商品:Sony MDR-MV1西田修大がMDR-MV1で検証する、作編曲の音作りとスピーカーとの基準Sony Creator’s Voice / Sound & Recording Magazine

スピーカーとヘッドフォンを行き来しても、音作りの基準を保つための視点。

BEST SPECCERの読み解き

作曲・編曲中に制作環境が変わっても、音作りの方向を維持しやすいことは、自宅制作や夜間作業の多いクリエイターに向いています。

3件から見える違い

HD 490 PROは、ミックス全体を整えるための判断に向く。

MDR-MV1は、低域や残響を含め、 音が置かれた空間を把握する判断に向く。

同じ開放型でも、役割は完全には同じではありません。

どちらが上かではなく、 CD900STの隣にどんな視点を追加したいかで選びます。

今回の自分なら、
最初に足すのはHD 490 PRO。

MDR-CD900STは、イヤーパッドを交換して、 これからも使い続けます。

新品のヘッドフォンを買うことは、 これまで使ってきた道具を否定することではありません。

細部を見るCD900ST。
ミックスを詰めるHD 490 PRO。
空間を見るMDR-MV1。

DTMとミックスを中心に考える今回の自分なら、 最初に追加する一本はHD 490 PROです。

一方で、映像・ゲーム・立体音響や、 リバーブと距離感の判断を重視するなら、 MDR-MV1がもう一つの正解です。

本記事は、所有しているMDR-CD900STの使用経験と、 メーカー公式情報、専門メディア、 クリエイターの使用例を基にした購入前の選定記事です。

HD 490 PROおよびMDR-MV1の実機レビューではありません。

実際に購入・使用した場合は、内容を追記します。